2010年1月25日月曜日

「カッコウの卵は誰のもの」

東野圭吾「カッコウの卵は誰のもの」光文社

 最新刊で久しぶりのスキーもの。「鳥人計画」で面白くなかったのと「また鳥か」で先週から買うのを躊躇するが、読みました。 奥付によると発行日が今日になってるじゃないか。これも一種の賞味期限問題じゃないかなw

 さすがに東野圭吾で、当然の読者の予想を中盤であっさり明かし、そこから二転三転させて、最後の数ページで伏線を回収する。  語り口、アイデア、100%の悪者がいない読後感のよさ、どれを取っても安心感のある職人の技術。

 こういう褒め方でわかると思うが、すこしだけ飽きた。あまりに演繹法で最後のページから順に書いたんじゃないかとさえ疑わしい。ほど

 父と娘、父と息子の話として読めばいいのかも。  そういえば母の影が薄い。 これに限らず東野圭吾で印象的な女性が少ない。 広末涼子「変身」 薬師丸ひろ子「レイクサイド」 を除けば、印象薄いか、どこか冷酷な女性像が多い。
 「白夜行」のヒロインが一番光っているのも、まるで描写がないからかも。
 こんな風にケチつけるのも東野圭吾のミステリが好きだからだけど。


 荻野監督が企画中の「浅草堂酔夢譚」という映画も、娘と父が主題で、ぜひとも東野圭吾を越える作品にしてもらいたい。

2010年1月23日土曜日

蝶野正洋25周年

木曜にグランドプリンス赤坂で記念パーティ。
所属団体を脱退声明の直後だそうで報道陣がすごかった。
格闘技どころかスポーツにも興味ないが、なかなか会えない社長を紹介してもらうために参加した。
20周年の時は東京国際フォーラムだったが、今日は遥かに派手な演出だった。

会場内は常人とは違う体格の食肉系の男と業界風のやわな男女ばかり。


2010年1月17日日曜日

トンデモ本

 題名に引かれてさきほど読んだ本がどちらも妄想本でした。こういう時にアマゾンは立ち読みもできないので困る。アマゾンのレビューの最初か二番目くらいの褒めてるのはだいたい担当編集者が書いているという噂がある。あまりアテにしてはいけない。

  「義経はジンギスカンになった」丘英夫
もともと生年が近い、ジンギスカンの前半生が不明、人気のある義経への願望などから生まれた由緒正しいとんでも伝説なのだが、その最新刊。
 ここでの根拠は、
モンゴル文字にカナに似た字がある、五十音順に近い表がある、蒙古人は皮のはずが鉄の鎧を着ていた、戦術が義経に似ているなど。
 著者は1934年生、大阪外大中国学科、丸紅勤務、蒙古が定年後の趣味らしい。

  「金正日は日本人だった」佐藤守
何冊もの北朝鮮本の引用だけで、ほとんど独自の情報はない。またか・・というような記載のコピペ本。私も1980年からの北朝鮮オタクだけにけしからんとも感じる。
 ただし一点だけ、朝鮮戦争中に金日成に暗殺されたとも噂される金策副総理が金正日の実の父で、なおかつ金策は日本人ハーフの日本軍のスパイだったという妄想が全開している。これは素晴らしい。
1939年生、防衛大学校、パイロット、航空自衛隊空将。定年後の趣味が北朝鮮ものらしい。空の守りは大丈夫だろうか。


 個々の事実はおそらく正しいのでしょう。それら事実の点から著者が恣意的にいくつかの点を選んで、線を結ぶあたりからおかしくなる。 さらに妄想のアクセルを踏んで線と線から面を描くとトンデモ本になる。妄想アクセルで速度が出ると、科学とか事実とか検証とかいう重力がなくなって空を飛べるようになるらしい。
 だいたい義経はいつ蒙古語を習ったのかとか、モンゴル人に源氏だと言っても関心しないだろうし、独裁者金日成主席が政敵の息子を後継者にするだろうか、そんな秘密を周囲に隠せるものか、という都合のいい点の事実がいくつかの前に、根本的な課題があるではないかな。
 専門家とディレッタントの違いがここにある。 ただし週末に読むには気楽でよかった、何の役にも立たないけど。

 「トンデモ本」と言えば と学会の山本弘だが、その「環境問題のウソのウソ」というのもきわどい本だった。確かに批判している武田教授も同じような文章を書きまくっている、どうかと思うのだが、山本弘もトンデモ本ばかり相手にしていると染まってくるのだろうか。

 昔、「滅亡のシナリオ」というトンデモ本の元祖があった。ノストラダムスの予言が的中する?のは予言ではなくて、それが的中するように陰謀団体が仕組んでいるから。というもの
その代表がヒトラーで、ナチスドイツは予言にあわせて、あえて作戦を失敗したり、最後にわざと第三帝国を滅亡させたというもの。 オウム真理教がその説を信じて、自分らも実行しようとしたという噂もありました。

 その著者が精神病院の院長で、世の中なにもかもに暗号が隠されていると信じていたそうだ。カルテからファンレターまで。患者とばかかり相手していると染まってくるのだろうか。
 精神病院の中で最も脳から電波を飛ばしていたのが院長だった・・・ そんな精神科医に診断してもらった患者・・すこし羨ましい気がする。

2010年1月11日月曜日

匣の中の夢

 おかしな夢を見た。
 不眠で悩む状態が延々と続く。
 寝返り、ため息、布団を穿いだり、CD、トイレ、水を飲みに行く、枕を変える、妄想する、寝返り・・

 これが夢でなくて半覚醒状態でないのは、寝室の窓とか入り口の位置が違う。トイレも台所の方向も異なる。
 目覚めても現実感がない。 トイレに行こうとして方向を間違えた。

 メタとか匣の中に似た夢なんだろうか。

2010年1月5日火曜日

「探偵物語」松田優作 薬師丸ひろ子

 加藤和彦といえば、フォーククスセイダース「帰ってきたヨッパライ」とかサディスティック・ミカ・バンドが有名だ。

1980年初頭の「うたかたのオペラ」「ベルエクセントリック」などを愛聴していた。 すこし自慢だが1979年に発売された初代ウォークマンを電車で聞いていた。 SONYプレスマンという記者会見録音用のカセットレコーダーからマイクを外してステレオにしたもの。 実はそれほどイノベーティブな製品化ではなかったのでないだろうか。 どちらも分厚い文庫本ほどの重量があった。

それらの絶頂期の映画音楽に「探偵物語」があった。

主題歌は加藤和彦の作曲ではないけど、全体の音楽監督で、すなおに素晴らしい。

女子大生とさえない中年探偵、の赤川ミステリらしい展開だけど心に残る映像と音楽だ。なにか最近ついある状況で見直した。(これは現在進行形か未来形の話)

なによりも松田優作と薬師丸ひろ子とのほぼ最終での探偵アパートでの長回しシーンでの二人の演技力のすばらしさ。 田園調布お金持ちの女子大生と、貧しい探偵との会話が10分は続く。何度見ても一部の瑕疵もない。


「ひとりで、さびしくないんですか? わたしいつもひとりでさびしかった!」 
「ひとりでいてさびしくない奴なんていないよ。だけど甘えちゃいけない時だってあるんじゃないか」
沈黙
「帰ります」
「・・・・」
「帰ります!」   (女子大生はまだ甘えてる。 ストイックに探偵は耐えている)   


(主題歌)


それから最終の成田空港につながる。

ここからのあまりに有名な二人の演技はもう書く必要もないだろう。

貧しい中年探偵と10代の女子大生お嬢様とのはかない恋。 いいとは思うが、こんな私にも、松田優作にも、二度とない想いだろうね。 いつまでも大切にしたい経験だが、薬師丸ひろ子がエスカレーターが降りるのを見守るように、もはや再現はいらない。 でも忘れないよ。(ここは過去の話)

渡米した女子大生が前向きな人生を進んだことを祈る。

2010年1月3日日曜日

コンシェルジェは必要だろうか? 書きかけ/途中

  • 宅急便の取次  いらない。フロントでの取次はよけい面倒。 宅配ボックスと引き取りに玄関まで来てもらう方がいい。
  • タクシーの配車。 いらない。日本交通のIVRの方が早いし正確だ。
  • クリーニング  汚れた衣類を若い女性に渡すのが抵抗がある。
  • レストランの予約  ほとんど頼んだことがない。直接の方が気軽。
  • 切手、電球、販売。   笑いでしかない
あいさつをしてくれるのは帰ってきたという気持ちになる。孤独な単身者にはありがたい。

あまり親しくなると、生活パターンを知られているようで緊張もする。 黙って帰宅したいときもあるし、同行している人を見られたくない時もある。別の入り口があるといいのだが。

  • 六本木ヒルズD棟  サービスアパートメントで、エレベーターから半地下のフロントか駐車場側に抜けれる。こちらはヒルズ中心への抜け道もあった。18階のラウンジには無料の朝食サービスがある。コーヒー、紅茶と4種類のいつも同じパンだけだが。ケチくさい中華ハゲタカ兄ちゃん複数が袋持参でこそこそ持ち帰るのが不快。
  • 六本木ヒルズC棟  ホリエモンや村上ファンドの頃で街宣車が煩いころだった。 フロントはB棟とC棟の中間で、前には広い車寄せがある。 夜を越さなければ煩いことを言わない気軽な無料駐車場でもある。B棟という地権者への等価交換のマンションには会議室や集会所がある。最上階はスカイラウンジとゲストルームでこれはC棟住人用。C棟下にあるスパは充実していた。三層で真ん中階がスパフロント、カフェ、更衣室、シャワーとジャグジーにサウナなど。 下層がプールとデッキ、上層がジム、スタジオ、エステのフロントとエステ施術室が5部屋ほど。トレーナーもエステシャンも一流だし、カフェの料理もあきない。週に一回休日だが元麻布、アークヒルズ、愛宕ヒルズなどのスパが利用できる。
  • パークレジデンシィズ(リッツカールトン) 車寄せではバレーサービスがあり、広い一階ロビーを通ってエスカレーターで三階にフロントがある。一階エレベーターからも各階にはいける。最上階にペントハウスとジムがある。サンルーム式のジャグジーとサウナもある。
  • 東京ミッドタウンレジデンス  一階正面車寄せと地下アーケードから13階のフロントへ。ラウンジと会議室がある。12階にはジムとせまい更衣室、トランクルーム、屋上庭園がある。
  • パークアクシス青山一丁目タワー  一階に広いラウンジとフロント、中間層にジム、レストラン、ゲストルームがある。車寄せにはバレーサービスがある。
  • 西麻布のワンルームマンション   これは1998年に新築購入物件だった。都心でペットが飼えるのと最上階には専用の屋上があるので購入した。当時としては最新のオートロック、宅配ボックス、客用駐車場など設備は充実していた。一階は最もよくてビルに囲まれて眺望はないが、専用の庭、ウッドデッキ、専用の地下室がある。梯子階段で下りていくと8畳ほどの部屋で湿気防止の換気扇だけある。楽器とかシアタールームとしては最高だろう。私の専用屋上は結局は何の意味もなかった。犬とボール投げするぐらい。
今から思って賢い選択だったなと思うのが、西麻布とC棟ぐらい。

  • 今のマンション。 高層ビルの最上階で下は小さな街。 地下駐車場は月極も時間貸しもある。高層ビルが二棟とマンション棟と区の施設。これら全体を管理する防災センターがあり、私のビルの副防災センター、管理はケン・コーポレーションで安心感がある。一階には宅配ボックスと小さな商談スペースだけ。専用エレベーターは一階と地下駐車場から最上階とその下のマンション層まで直結だが、オフィスビル全体を貫く荷物用エレベータがある。 清掃も警備もゴミ部屋もオフィスと同じレベルなので正確だ。オフィスと違ってマンションは窓の面した部屋でないと困るせいか各部屋の中央に大きな吹き抜けがある。あまり美しくない彫刻は別にして雨が降ると下層が濡れているのがエレベータに行く途中でわかる。