2013年1月15日火曜日

雪に祝われた閉店

 秋葉原にあるメイド喫茶を日曜で営業が終わった。
月曜の成人式では有志の歴代のアルバイトが来て片付けと送別会だった。

 10年ぶりの東京の雪が本日にふさわしい心情風景だろうか。

 15時から集合だが、午後にはどうしても降雪が止まらない。 スタッドレスタイヤ履いてない車では無理なようだ。
私はこの10年地下鉄に乗ったことがない。 路線も切符もわからない。
駅員に聞きながら末広町までたどり着いて雪の中を歩く。

 店に入ると、この天候にしては予想外のキャストが来てくれている。
送別会といってもこの雪でケイタリングも頼めない。

 幸い次の借りてが居抜きで入居してくれるので造作も家具もそのままでいい。 こんな内装の店をどう改造して何に使うのか、まだ知らない。

 だから棚から荷物を出してみて、持ち帰れるものや、色紙や寄せ書きなどを回収する。

2007年2月から約6年間。 いろいろな思い出が後頭部を横切る・・

 予定の采配のミスでオープン当日の午後に成田からラスベガスに行かないといけない。  スタッフには迷惑をかけた。
 それから有名人が来店してくれたり、取材を受けたり、イベントをしたり、、ストーカーに悩まされたり、迷惑客を何人か出入り禁止にした。
 それ以外はたいした事件も事故も大問題もなく、とても平穏な日々だった。 何かが起こって急いで店に行かないといけない、ということは一度もなかった。 まったりした六年間だった。

 その間に多くのバイトが学校を卒業して店をやめて新しい世界に巣立っていった。

帰り道、雪の中を歩きながら頭の中では思い出だけが回っている。

雪がとまらない。メルヘンな歌舞伎町。
有志のバイトと元バイト。
店の前の駐車場に車がいない。
最後の記念に。
無事に帰って。
閉店の心情風景。