2009年4月17日金曜日

「パラドックス13」

「パラドックス13」毎日新聞社
東野圭吾の最新作。 腹痛の中届いたアマゾンで読む。

 前半はまるでスティーブン・キング「ランゴリアーズ」そのもの。蔵書が160km離れた書庫なので確認できないが盗作疑惑が出るかも。

 中盤は「ポセイドン・アドベンチャー」とかパニック物にありがちな、冷静なリーダー、特別な技術ある者、若い女性、批判的な男、困らせる人、同情すべき足を引っ張る人・・類型的でまたか。

 378pから突然にロバート・A・ハインライン「自由未来」のような方向に。

 「危機の中に人間ドラマが描かれた」お仲間に評されそうな、危機状況の中でリーダーが弱者にやたらと時間をさく。
 「地球が静止した日」で宇宙人が偏屈な少年にやたらと接する。あと数分で地球は崩壊するのだけど・・  
 小隊長が戦闘の最中に死にかけの戦友の言葉に耳を傾ける、急に銃弾の音が低くなる。小隊長、あなたの部下が指示もなく敵の銃撃にさらされてますよ。

 このリーダーが優等生すぎる警視庁エリートで、どうも共感できない。 ところが突然「男女7名で社会を再生するためには一夫一婦制をはずして子孫の繁栄を図らなければ」とんでもなことを言って女性に引かれる。 あと数週間で食料つきるのに100年後の話してしかたがない。

 だいいち、彼ら以外の人が消えたのは、あの瞬間に 残った人の共通点は ××した 理由。それなら他にも世界中に生き残りはいるはず。
 「ランゴリアーズ」では分母は同乗していた飛行機の乗員に限られているのでそういう矛盾はない。

 さらに最後が残念。東野圭吾だけにどんでん返しを期待したが・・

どうも腹痛の中だけに辛口になるのだろうか。