2011年4月23日土曜日

ラスベガス

 2007年から4年目のラスベガス。
 経営セミナーの旅行でAmazonに買収された靴の通販Zappos視察の後の一晩だけだが、ショーの予約をしてもらった。

 7時  ビリーブ  クリス・エンジェル(Luxor)
 22時 デヴィッド・カッパーフィールド(MGMグランド)

 (一晩だけなら逆順で、19:30カッパーフィールドのミート&グリート、21:30クリス・エンジェルがいいのだが、移動時間に不安があるので)

 期待のビリーブですが、どこがどう変更したのか、宣材のようなダンスもなくて、前座のように四人の道化が冗談マジックを繰り返しで、クリス・エンジェルが登場。 あとは四人の道化とヒロインと主役マジシャンだけの、退屈なマジックショー。

 人体交換(箱の上の美女と箱内の拘束されたマジシャンが瞬時に入れ替わる)中盤はこのヴァリエーションが三回続く。 クリス・エンジェルらしいのが逆さまに吊るされ拘束衣のまま客席中央まできて足首の綱がほどければ間違いなく重症な状況から脱出する。技術はともかく体力的に若くないと難しいだろうが、カッパーフィールドが屋外での演技を、ホテルとの契約で一日2回、週5日で演技することこそマジックですね。

 あと客席の半ばなのに頬に熱を感じるほどの火炎がステージ中央に立ち上ったり、消失して客席から出現したマジシャンがターザンのように舞台に戻るあたりは、とてもクリス・エンジェルらしい。

 でもトークやジョークが多すぎで、マジック好きだった子供時代や少年時代の写真を延々と露出すればするほど、神秘性はうせ、アイドル暴露の写真週刊誌を舞台で披露する神経がわからない。「私はどこにでもある子供の頃にマジック道具を親に買ってもらって大好きになりました」で終わり。

 どこがラスベガスで、どこがクリス・エンジェルで、どこがシルク・ドゥ・ソレイユなのか? (どこがローマで、どこが神聖で、どこが帝国なのか?  のもじりです)

 比べるとデビッド・カッパーフィールドは演歌の大御所のようです。 請求した金額は価値としてきっちり交換する姿勢がある。 プライドはあっても高慢はない。
 3年前の東京講演とほとんど同じ。 今回は幸運にも最前席で左端のテーブル席で、これが19時半ならミート&グリートだったのが残念ですが、移動を考えると仕方がない。 おかげで祖父が待望したリンカーン出現とかの動作が見える。

 嘘でもいい、というか顧客が嘘を求めているのがマジックですから。 今年のクリス・エンジェルのようなライトグレーはいらない。 私は真っ黒な嘘が見たい。